2016年 07月 08日
今年のケンタッキー州ルイビルの夏は、 雨続きで結構肌寒い日が多いです。 毎朝通る道の横に、上記写真のようなちょっとした広場?があり、 そこにグースの団体様ご一行が滞在されているのですが・・・。 この写真の中に、普通のグースの群れではあまりお目にかかれない方がいらっしゃるのですが、 お分かりになりますでしょうか。 実は群れの中に1匹、明らかに他とは違う色の方がいらっしゃるんです。 これはグースのアルビノなのか、もしくは全く違う種の鳥なのか・・・。 でもまあ彼らが全員幸せでしたら、全く問題はないんですけどね(笑)。 それにしても。 車道からこの広場にいるグースの群れまでは、実際はかなりの距離があるんですが、 ちょっと横を向き一瞬彼らを視界に入れただけで、一発でこの白い鳥を発見する事ができました。 やはり、自然界の中での「白」という色はとにかく目立つもんなんだなぁ、としみじみ思いました。 #
by japolska
| 2016-07-08 16:22
| アメリカ
2016年 07月 07日
と言っても、ハンガリー出身の著者によって書かれた作品で、 厳密には一言もこのお話がポーランドの事とは言及されていないのですが(汗)。 アゴタ・クリストフの「悪童日記」読了しました。 これはかなり前に読んだ、実在したポーランドの教育者のヤヌシュ・コルチャック氏の事を書いた「コルチャック先生」とはある意味正反対の作品で、 ヨーロッパ全土で戦争が起こり始めた時代の、都会から田舎の個人宅へ個人疎開してきた双子の男の子達のお話です。 彼らは幼くして母親に導かれ、田舎のひねくれ者の老婆宅に預けられ、 否応無しに現実を直視させられる新しい生活を始めるのですが、 老婆の仕事は手伝いつつも、学校へ行く事は完全拒否。 自分達の経験と知恵のみを使って生き抜く術というのを体得していきます。 全体的な作品の流れとしては、 彼らの落ち着いて大人びた振る舞いや言動になかなか説得力があり、 思わず納得しながらついついページをめくってしまうといった具合です。 物語全体も細かい章に分かれているし、 またそれぞれの登場人物の詳しい背景の理解もしなくてよい内容だったので、 私にとっては非常に読みやすくてよかったです。 この双子の男の子は、この作品の最後のシーンでは、 ある人物に対してかなり残酷な事をしてしまうのですが、 その部分の驚きも含めて、この作品の魅力だと思いました。 あと、彼らが重要視するアイテムとして、本と紙と鉛筆というのに私は大変共感できました。 実はこのシリーズは3部作で、この後に「ふたりの証拠」「第三の嘘」という作品が続くのですが、 両方とも読んでみましたが、正直内容がだんだん複雑になり読みづらくなってきたので、ここでは紹介は割愛します。 ポーランドに直接関係する本ではありませんが、 きっと戦時中はこういったことがポーランドのあちこちで起こったんだろうな、と、 リアルに想像させてくれる作品だったのでこちらに書き込みました。 引き続きポーランドに関する本を読んだら、 こちらに書き込んでいきたいと思います。 #
by japolska
| 2016-07-07 09:06
| Wonderful Books
2016年 07月 06日
去年こちらで(↓) http://japolska.exblog.jp/23617352/ 折り紙でくす玉を折ることにすごくはまってしまった旨を書かせて頂きましたが、 今年もどこに出しても恥ずかしくないくらいの引きこもりっぷりで、 寸暇を惜しんでは元気にちまちま作業にいそしんでおります! O(≧▽≦)O <オタクマインドは不滅です!イエーイ! 2016年度の我が家の夏のハンドメイドのトレンドは、和の刺繍。 という事で、地下室で1人、Youtubeでユーチューバー様たちがアップした、 「ソロキャンプ」「ラーツー」「1人バーベキュー」などの健康的な動画を見ながら、 自宅にあった針と糸と布を使って、日々楽しく刺繍活動に明け暮れていました! こちらが今回刺繍に使った道具達です。 10年くらい前に「下妻物語」という邦画を見てから、ずっと刺繍には興味を持っていて「実際にやりたい」とは思っていたのですが、 いかんせん典型B型なので、自分に合わないと判明するや否や途中でばっさりと切り捨てて「なかったこと」にしそうな危険な予感もあったので、←飽きた時の投げ出しっぷりは我ながらお見事としか言いようが無いんすよ(汗)。 出来るだけ初期投資は低くしておこうと思い、数年前日本に里帰りした際に、100円ショップで刺繍に使う輪と絵柄転載用シート、 そしてこの写真の中には入っていないのですが、数色入った刺繍糸セットを購入してきました。こちらでの出費は合計315円。 あとは自宅にはソーイングセット一式と、未使用のもらい物のレモンイエローの薄地の布があったので、 今年はぜひこれらを有効活用しようとタンスの奥から引っ張り出してきました。 全ての材料費は、道具類の減価償却費を除いても大体500円程度でしょうか。 という事で、緑も濃くなり始める5月中旬、最小限の元手投資でどこまで楽しめるかに焦点が当てられた製作活動の幕が切って下ろされました(笑)。 こちらが、学生時代の家庭科での実習を除くと、生まれて初めての刺繍になります。 上記写真で分かっていただけると嬉しいのですが、タンポポです。 うまく言葉にできないのですが、葉の部分に少しづつずらしながら斜めに針を刺していくという方法が結構難しくて難儀しました。 2番目の作品、南天です。 手元に色々な赤系統の糸があったので、せっかくなので出来るだけ違う赤を使って刺してみました。 実の部分は100円ショップで購入した刺繍糸や、元々ソーイングセットの中にあった特売の糸を使って縫い、 緑の部分は以前ちりめん細工にはまった際に使用した絹の糸を使ったんですが・・・いや、もう、縫うとその差は歴然と違いましたね。 安い糸はもう細い仕付け糸みたいで、もう見た目からして毛羽立った感じがしてボロボロの印象が出てしまい、 絹糸はやはり高いだけあって、例え初心者が縫っても、表面は滑らかでキラキラ光っているのが一見しただけで分かりました。 3作目。桔梗です。 個人的には、こういうちまちま作業の中で、紫という色が出てくるとすごく嬉しいですね。 真ん中と右の花の部分は、1回全体を斜めに縫った後、その上からもう一度押さえつけるような形で逆方向からもう1度斜めに縫いつけてあります。 なのでこの部分はかなりしっかりした印象があります。 4作目。牡丹。一番の大作です。 花びらの部分は前作の桔梗と同じく、二重に刺繍を施してあります。 茶色の木の部分以外、全部絹糸で仕上げてあります。 これを完成してからしみじみ思ったことは、 「もし本格的に刺繍を含むソーイングという趣味を始め、 その趣味を心から楽しむ事ができ、長続きさせる自信が確実にあるのなら、 お買い得だからといって、最初にどーんと色々な色が入った安い糸セットなどを購入してはいけない。←質の問題もあるけど、使わない色も沢山出てきて、結局その分が無駄になってしまうので。 買うなら例え値段が高くても、質のいい糸を、その時必要な色だけ購入していくという方法を繰り返し、 少しづつ自分の作品に合う好みの色だけを揃えていくべし。」 ということでした(笑)。 (今回はお試しなので、安い糸でも全く問題はないです!) 5作目。菖蒲です。 本来の菖蒲は花の真ん中の部分に立って伸びている小さな花びらも外側の花びらと同じ色らしいのですが、 私はこの部分は花粉がついていると勝手に思いこみ、迷うことなく黄色で刺繍してしまいました。 なので厳密的にはこの花は、菖蒲のようで菖蒲ではありません。←まあ黄色の方が色的にバランスが取れていると思うので、自分では全く気にしてはいませんがw。 あとこの作品、水洗い後まだ絵柄転載用シートの糊が残っていたというのに、 きちんと確認もせずにすぐにアイロンをかけてしまったせいで、とても汚い仕上がりに成ってしまいました・・・。 ちょっと代わったデザインで気に入っていたのでとても残念です(涙)。 絵柄転載用シートはものすごく便利なのですが、 出来上がったら、水溶性のその転載用シートの部分は完全に水で洗い流しておかないと、 アイロンをかけた時それが布にへばりつき、その後は何度洗濯しても決して落ちないので注意が必要です。 6作目。菫です。 こちらも花の真ん中の部分は、実は花びらと同じ色にするべきだったんですが、 やはり黄色だと花の部分が締まって見えるので、今回も色を変えてしまいました。 花と葉を結ぶ茎の部分は緩やかなカーブが多く、刺繍が非常に難しかったです。 写真では判りづらいですが、実は葉の部分に色々な種類の緑系の糸を使用しています。 花よりも葉の部分の刺繍が楽しかった1枚です。 7作品目。梅です。 絵柄転載シートがうまく水に溶けて落ちてくれず、何度も手で揉み洗いをしてしまったので、 花の部分の刺繍糸に疲れが出てきてしまいました(涙)。 でもデザイン的にはすごく愛らしくて一番のお気に入りです。 この写真を見るとよく分かると思うのですが、左側の蕾の部分の赤は絹糸で、 花の部分のピンク系の糸は100円ショップの糸セットからです。 これで仕上がりにどれだけ差が出るかという事がお分かり頂けるかと思います。 8作目。萩・・・だと思います。 このデザインは花札でよく見たような気がします。 秋の花なので、葉の色に茶色系統も使ってみました。 この8作目の絵を写し終えた段階で、手元の約20㌢四方の絵柄転載シートが無くなりました。 なので今回はここで作業は終了です。 上記作品群の全体写真です。 それぞれの刺繍の周りには十分な余白布を残してあるので、 それぞれポーチや巾着などに仕上げてあげたいなぁ、とは思っているのですが、 もう一方で、これを全部使って、普段使いできる自分が使いやすいバッグも作ってみたいなぁ、という思いもあり、 それならデザイン的にはどうする?という課題も出始めてきたので、 ここから先の作業はまた何かいいアイデアが浮かび、更にやる気も出た時に再開ということにしておこうと思います。 来年以降のまた新しい楽しみになりました。 今回の図柄は全て、雄鶏社の「はじめての日本刺繍」という本から拝借しました。 この本は既に絶版なのですが、日本刺繍に関しての本を色々と探してみた結果、 個人的にはこの本が一番、初心者でも素敵な図柄が縫える内容になっていると思ったので購入しました。 実際やってみると、刺繍は自分にとって、 色とりどりの綺麗な糸を使って様々な美しい作品を作る事ができ、 ちょっと日常を離れることができるとても幸せな作業でした。 道具もそれほど必要なく、また片手で運べてどこでもできるというのも気楽でよかったです。
もちろん、上記の本に掲載してあるお手本と比べると、 私が今回作ったの作品は比較にならないほど稚拙なものですが、 やはり出来上がるとそれぞれに対して、手間隙かけた分だけ愛情が沸いてきましたね。 自分的には500円の初期投資と作業にかけた時間の元は十分取れたと思っています(笑)。とても満足です。 おかげで新しい趣味の世界が広がりそうです。 #
by japolska
| 2016-07-06 04:33
| ハンドメイド
2016年 07月 04日
こちらアメリカでは、7月4日の独立記念日もくっついた3連休中です。 こんなお休みは私にとってはめったにないので、 元気はつらつと家から一歩も出ず(笑)、普段できないちょっと手の込んだ家事や、 相変わらず読書にいそしんでいます。 先日、「ケインとアベル」を読了したら、 もう少しポーランドに関する本が読みたくなったので、 今回は「欧州連合のビジネス戦略拠点 ポーランド」という本を選びました。 最初表紙を見ただけで、 「うーん、買ってきたのはいいけど難しそう。読めるかなぁ(汗)。」 と、ちょっと不安だったんですが、 あまり期待もせずに読み始めてみたところ・・・、 あまりの内容の素晴らしさに、 ワタクシ思わず泣いてしまいました(T_T)<えーん! この本はポーランドにトップマネージメントのセミナーを提供しに行かれた長尾総一郎という方によって書かれた本なのですが、 私が今まで読んだポーランドに関する本の中でも、 この本が一番ポーランドという国を分かりやすく上手に紹介してくれていると思いました。←断言します! というのも、正直、私が今まで読んだポーランドに関する本というのは、 「ポーランドという国は戦争で大変苦労したんだよ。さあその歴史をとくとご覧あれ!」 みたいなちょっと重たい内容のものだったり、 「ポーランドという国は今でもイマイチ冴えない国。その様子をちょっと見てきたから報告するね!」 といった、どこか他人事のような一方的な報告チックな内容のものが多かったような印象があるのですが、 この本はというと、 「ポーランドは土地的にも人材的にも文化的にも技術的にもすごく優れた国だから、 日本とこういうビジネスを展開するときっとうまくいくはず!!!だから一緒に頑張ろう!!!」 といった、将来的に明るい具体的なビジネス展開を提案しつつも、 「ポーランドでは色々な人に会ってきて沢山話をしてきたよ! ←上から下まで人脈すごすぎ! あと、実際にポーランド国内で開催したトップマネージメントのセミナーの内容も、噛み砕いて書いておくから!! それと、ポーランドの国の事も、誰が読んでも分かりやすいように色々と紹介しとくね!!!」 といった、温かい目でポーランド人やポーランドの国全体を見守りつつも、 各分野においての説明も、ご自分の現地での経験や見解を含めつつ、公平な態度を崩さずに的確に分析し、 尚且つその説明文も、非常にチャーミング(という言い方は変だけれど・・・とにかく大変読みやすいんです!)な文体で書かれていて、 あっという間に一気に最後まで読んでしまいました。正直かなり興奮しました(笑)。 ←自分ちょっとオカシイかも・・・(汗)。まあいいや今に始まったことじゃないからw。気にしたら負けだ。 この本がどれだけ私に感動を与えたかというと、 私は高3の短大受験以来、本に蛍光マーカーを引く、といった行動は一切したことがないし、 今まで私の手を通っていた本に書き込み等をしたことなど一切なかったのですが、 今回生まれて初めて、教科書以外で、本に蛍光マーカーを入れながら読みました。 なので、我が家にある本の中でも、唯一この本だけにマーカー印が入った状況になっています。 それだけ、ポーランドをもっと知りたい自分にとって、印象深い本でした。 それにプラス、この本は、大学の1セメスター分のマーケティングの1授業に相当する内容の事が書かれている、非常に内容の濃い1冊だと思います。 この本を読んだおかげで、私の中のポーランドに関する色々な疑問が解決されました。 例えば、今までポーランド人やポーランドに関する本を読んでずっと頭にあった、 「どうしてポーランド人はどんなに厳しい状況下でも不屈の精神を保てるのだろう。」 といった疑問に対する答えもドンピシャに書かれてありましたし、 「ポーランド国民の収入は決して高くはないのに、なぜ人々の生活の質は高く見えるのだろう。」 に対する説明も見事にクリアに記載されてありました。大変感動しました。 ただし、この本に関して残念なことがひとつ。 実はこの本の初版は1995年度と、20年以上昔の内容であることです。 おそらくこの中のデータは現状と比べると、おそらく矛盾が発生してしまう可能性があります。 でも、それでも、ポーランドに少しでも関わる方でしたら、きっと楽しみながら読めると思うので、 私は☆☆☆☆☆(☆5つ)でお勧めしておきます! 引き続きポーランドに関する本を読んだら、 こちらで紹介していきたいと思います。 #
by japolska
| 2016-07-04 13:23
| Wonderful Books
2016年 07月 01日
夏の間は比較的時間に余裕ができるので、 この時期は集中して日本から船便で送った本を読みまくっています。 久しぶりにポーランドに関する本を読破しました。 ジェフリー・アーチャー氏著の「ケインとアベル」です。 最初は私が苦手とする翻訳物なので手にするのにちょっと気が重かったのですが、 読み始めたらそれを吹き飛ばすくらいの内容で、すぐ夢中になって読み進めていきました。 この物語はまず、ポーランドで孤児として生まれたヴワデグ(アメリカ移民後は改名してアベル)の生い立ちから始まります。 彼は出生後、残念ながら実の親に諸事情により森の中で遺棄されてしまい、 その時は何とか一命を取り留めるのですが、 落ち着いた先は将来的に明るい展望が望めない家庭で、 貧しい生活の中肩身の狭い思いをしながらも成長。 しかしふと転んできた小さな幸運をきっかけにして奇跡的にそこから脱出します。 その後は第一次大戦に巻き込まれ、想像を絶する苦労と悲しみに耐えながらも、 不屈の精神で危険を搔い潜りアメリカへと移住。 それからはポーランド人としてのプライドを片手に弛まぬ努力を重ねながら、 持ち前の抜群の商才を発揮し、アメリカでも屈指のホテル王にまで上り詰める・・・という、 ポーランド移民の偉大なるサクセスストーリー、なんですが・・・。 この作品、ものすごく面白いです!!! ←今更ながらですみません・・・。 そしてワタクシ、クライマックスから最後までの展開に、 頭を鈍器で殴られたようなものすごいショックを受けました(T_T)!!! ←いやほんとに殴られたら死にますが(笑)。でも私にとってはいい意味でそれくらい衝撃的だったんです。 いやホント、ただ単にポーランド移民の成功物語だけだったら、 これほど惹きつけられなかったと思います。 でも、その彼の対抗馬として、名門でのエリートの銀行家・ケインの存在があり、 ある事情をきっかけに、まずはアベルがケインを心底憎むようになります。 それからはお互いがお互いの最高の敵となりながらも、 またお互いがお互いの事情を誰よりも知るようになるといった状況にまで発展し、 そして隙あらばお互いに全く手加減無く徹底的に足を掬い合おうとするといった、 彼らの手綱を緩めない本気の行動が、読んでいて大変すがすがしく(笑)、 毎日少しづつ読み進めていくのがとても楽しかったです。 それにしても・・・この本を読んで改めて思い直したんですが、 ポーランド人はどんな状況下においても、 状況が許す限りは、自分の意思や判断を絶対に曲げないし、 また忍耐しつつも機会を狙い、決して信念を曲げずに、 機会があれば少しでもその信念を貫こうと実際に行動していくという、 そういった基礎性格があるんだなぁ、、、と、改めて思いました。 (そして第一次大戦中のポーランド国内の絶望的な状況ぶりったらありません・・・。) この物語に登場するアベルとケインは長い間反目し合い過ぎて、 歳を重ねるごとにお互い意固地になり、 終いには相手の名前を耳にしただけで怒髪天を突く勢いで非常に感情的になってしまう程になってしまうんですが、 クライマックス辺りから、金と名誉を全て持ち合わせた2人にしてもどうしても手に負えない事件(?)が起きてしまい、 そこから否応無しに2人の人生は急接近し、心情にも変化が現れてきます。 そして最後の最後には2人の人生が見事に重なるのですが、 このクライマックスから最後までの流れが本当に見事で、 最後の1文を読んだ時、あまりの素晴らしい物語の締めに感動のため息まで出てしまいました。 読了後の余韻をかみ締めつつも、改めてこの物語全体を振り返ってみると、 最初から最後までどこをとっても不自然な部分は無く(特にクライマックスから最後の部分にかけての流れはお見事としか言いようがない。普通ここいら辺に矛盾点は出てくるものなのですが・・・。)、 むしろ物語の中に登場した人物や物事の流れ全てに、最後の1文に向かって、それぞれきちんと意味があったこと、 そして私のような頭の悪い者にでも、それらの意味がきちんと理解できるくらいのジェフリー・アーチャーの文才にただただひたすら脱帽です。 あと感じた事は・・・人間は死の間際になると、 金や名誉なんてどうでもよくなるんだなぁ・・・ということでした。 アベルもカインもそれぞれの業界で頂点まで上り詰め、 殆ど全てにおいて不可能を可能に出来るくらいの財力と権力を持てた人物でしたが、 結局、2人が最後に望んだものは、皮肉にも実は全く同じものだったということと、 それは決して金や権力があるから手に入れられるというものではなかった、という部分が、 何だかすごく深くて印象に残りました。 非常に良い本でした。心から読んでよかったです。 また引き続きポーランドに関する本を読んでいきたいと思います。 #
by japolska
| 2016-07-01 15:25
| Wonderful Books
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