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2017年 08月 24日 ( 1 )


2017年 08月 24日

北国の人たちに関する本を読む 26

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椎名誠氏著”風の道 雲の旅”読了しました。




椎名氏は世界中を旅して、独自の視線と軽やかな文体で、
時には爆笑が起こるほど非常にユニークに、
また時には考えさせる鋭く真実を突いた幅拾い旅エッセイを書かれている作家さんで、
私は気に入ったタイトルの本が中古で安く売られているのを見つけると購入し、
「ああ、どこか旅へ出たいなぁ」と思った時に、鞄の中に入れてのんびり読み進めています。




今回この本の中には、晩秋から初冬にかけての初めての北海道での生活や、
北の寒宿で吹雪の海を眺めたり地元料理を楽しんだ等のエッセイが掲載されていましたが、
私が一番印象に残った北国関係のお話は、マイナス30度にも達するシベリアの街・イルクーツクでのある出来事でした。




北国の家の中というのはTシャツ1枚で過ごせる程暖かく快適な温度が保たれているそうなのですが、
そんな部屋の中にいるとどうしても乾燥し、喉が渇くそうです。
しかしイルクーツクでの水というのはどこでもまずく、
またビールなどは時折電撃的にしか売り出されないらしく、
その貴重なビールにありつけるにはただひたすら偶然を待つしかなかったそうです。




そんな椎名氏と同行者の現地滞在中、幸運にもその偶然が訪れ、
1人1ダースを限度に半日だけビールの売出しがあるという情報が入ります。




貴重なビールを求めに、同行者全員を引き連れて、
ビール販売所へ駆けつけ早めに並んだ椎名氏。←うわ~、気持ちめっちゃ分かるわ~(笑)!!!
その甲斐あって椎名氏と同行者は無事1人1ダースのビールを購入。
3人で合計3ダース分のビールの入手に成功します。




「これでシベリアの長い夜も楽しく過ごせるってものだ!」
と、
大量の戦利品を目の前に喜ぶ椎名氏達ですが、
その反面、次のビールの販売日が全く予想がつかないので、
椎名氏と同行者は、その今あるビールを少しでも長くもたせようと、
3者間でそれぞれがありつける割り当て本数というものをきっちり決めて、
全員の心の中で自然発生する「もっと呑みたい!」という欲望を無理矢理抑え、
毎日少しづつ大事に消費していくという節約作戦を取っていたそうなのでですが、
無情にもある日突然、3人全員が同時に猛烈な下痢に襲われてしまうという事件が発生します!!!




そのひどい下痢の原因は、何とよりにもよって、
虎の子のように大事にとっておいたビールだったそうです・・・。




後で確認してみると、当時のロシアのビールは、よその国のビールの製造法と違って、
熱による殺菌消毒も微生物の濾過も何もしていないシロモノで、
長く置いておくと腐ってしまうような内容だったのだとか・・・。
しかもかなり大雑把に注入していたそうで、瓶によって入っている分量がまちまちだった事も、
椎名氏は文中で紹介して下さっていました。
(余談ですが私がエジプトで飲んだ国産のステラビールもこんな感じでした。お腹を壊さなかったのが唯一の救いです・・・。)





そしてそのひどい下痢の原因がビールだと分かった椎名氏達一行は、
泣く泣く半分以上のビールを捨てたのだそうです・・・(涙)。





な、何と切ないお話なのでしょうか・・・(T_T)。






自分に降りかからなかった不幸とはいえ、
これは酒呑みにとっては、涙なくては読めない経験談ですよ・・・(涙)。





私には椎名氏達が泣く泣くビールを捨てた時の、
身を切られるようなもったいない感や、
世界の終わりのような絶望的な悲しみが、
まるで手に取るように分かります(T_T)!!!





それにしても、本来ならば、長期保存が目的で作られた瓶詰めのビールの中身が腐るという、
我々の想像を遥かに超え、また常識をも斜めにぶち破りどこまでも突き抜けていく彼らの国は、
安全品質100%保証の国から来た日本人の私から見ると、 





やっぱりヤツらは、おそロシア!!!





の一言しか出てきません(苦笑)。(↑)つーか今回もこれを言いたかっただけです(笑)。




なにはともあれ、今回の椎名氏のエッセイを読んで、
個人的に以下の事を学びました。




手に入れた酒は、
いじましくいつまでも取っておかないで、
潔くとっとと呑んでおけ!!!







こちらの教訓を胸に、2017年の秋から冬にかけての明るく健全な飲酒生活も、
更に充実した素晴らしい内容にしていきたいと思います。

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by japolska | 2017-08-24 10:34 | Wonderful Books | Comments(0)