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じゃポルスカ楽描帳

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2008年 02月 22日

ハドソン河のモスコー ★★★★★★

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私の愛してやまない映画の中に、ロビン・ウィリアムズの
Moscow On The Hudson 「ハドソン河のモスコー」 (1984)という作品があります。
ほのぼのした感じのコメディー映画なのですが、
アメリカに来てから、この映画を何度見たか分かりません。

厳しい情勢下のロシアで、サーカスのサックス奏者だった主人公・ウラジミール。
当時の彼の国では大変な物不足で、役人に全く頭が上がらない、いわば自由がない国でした。
そんな彼が所属するサーカスが、NYの街へ短期間の凱旋公演へ出向くことに。
いざ到着してみると、物が溢れ、誰もが楽しく人生を謳歌しているように見えた、まぶしいアメリカ・・・。
その旅の中で彼は、ひょんなことで心に沸きあがった衝動に忠実に行動し、なんと亡命に成功します。

「これからは自由だ!」そんな熱い思いを抱きつつ、
ふとした偶然で知り合った、デパートに勤める黒人男性とその家族、元気なイタリア人女性、
そしてキューバから渡米して弁護士になったという人物達などから、
色々な助けやアドバイス、友情などを受けながら、彼は自立への道を歩んでいきます。

キューバ人の弁護士の紹介をきっかけに、
ロシアレストランでの皿洗い、ホットドック売り、タクシー運転手など様々な職に就く主人公。
彼としては希望のサックス奏者として収入を得たいのですが、
NYは彼を上回る実力の奏者が街頭で稼ぐようなところなので、
なかなかその道での仕事が見つかりません。

それでも彼は持ち前の明るさと、アメリカと言う国を一生懸命受け入れようとする姿勢から、
少しづつ収入を増やし、アパートに住み始め、イタリア人女性との恋も手に入れ、
安定した生活をし始めていきます。

しかしアメリカでの生活は、決して楽しいことだけではありませんでした。

なかなか進まないお役所のペーパーワーク、
背後にちらつく彼を追うKGBの影、
物騒なNYという大都会の冷たさ、
もう2度と母国の家族や友人達と会えないという悲しい現実、
そして骨の髄まで染み入るような孤独感など、
色々なつらい事が、容赦なく彼に襲ってきます。

「自分にとっての幸せとは一体何・・・?そして自分の人生で1番ほしいのモノとは・・・?」

そして徐々に、主人公、友人の黒人男性、そして恋人のイタリア女性がそれぞれ、
時には色々と揺れながらも、少しづつこの上記の疑問に近付いていき、答えを出していこうとします。
その姿がとても自然で、何回見ても共感すると言うか、とにかく見ていて飽きないんです。

この映画は基本的には万人向けの愛らしい作品です。
でもさりげなく、アメリカでの現実での生活について容赦なく描かれています。
私が一番大好きな映画です。なので評価は★6つ(1コおまけ!)。
アメリカで住まわれている方に得にお勧めの1本です。

by japolska | 2008-02-22 13:00 | Respectable Movies


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