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2018年 07月 04日

北国の人たちに関する本を読む 53

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北海道夕張市ご出身の作家・佐々木譲氏著”北辰群盗録”読了しました。
こちらは同氏著の「蝦夷地三部作」と呼ばれるシリーズの1作品です。



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内容はこんな感じです(↑)。
現在私は、青年漫画・野田サトル氏著”ゴールデンカムイ”にものすごくはまっているのですが、
その”ゴールデンカムイ”の世界観や雰囲気をほとんどそのまま文章化したような内容だったので、
個人的にはものすごく読み応えがあり、また非常に楽しく読めました。


これで佐々木譲先生の作品は全部で3冊読了した事になるのですが、
とにかくこの先生の文章は無駄が無く本当に読みやすいです。
特に登場人物同士の戦いの場面になると、読み手に息をつかせないほどの臨場感で、
まるで自分がその戦場にいるかのような気にさせられました。
全部で500ページ程のボリュームでしたが、週末自宅でちょっと手にとってみたら、
あまりにも面白くてとても途中で止めることが出来ず、1日で読み終わってしまいました。


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本書終わりの解説で、速水螺旋人という方が解説を書かれていたのですが、
ご自身の愛らしいイラストでもこの作品を楽しく説明して下さっていました。
私もこの作品の中で度々登場する北海道での酒場のシーンが大好きです(笑)。
当時はコーンウィスキーやビール、ワイン等、今までの日本に無かった新しい酒を提供してくれる場所として、
元々は外国人から官僚等に対する特別待遇として用意された場所だったらしいのですが、
次第に討伐隊に組み込まれたならず者達も当然の権利のような顔をして訪れるようになり、
そうするとおのずと派閥が出来上がり、上記のような乱闘が度々繰り広げられたようです(笑)。


ただ今回の作品は、既に読了済みの”五稜郭残党伝”婢伝五稜郭”とは少し違い、
北海道に独立した国家設立を目指す共和国騎兵隊と、
その動きを止める為に新政府軍から送り込まれた討伐隊の戦いがメインです。
野田サトル氏の”ゴールデンカムイ”の世界でいうと、土方歳三軍と鶴見中尉隊の一騎打ち、という感じなのですが、
両者の戦いぶりよりも、私がすごく気になったのは、
それぞれの両軍のトップの胸の内にある理想に対する北海道での現実の有様と、
その両者を常に悩ませる各組織内での人事関係についてでした。


満足に物や人材が手に入らないような広大な未曾有の地で長期間戦闘を繰り広げるには、
例え騎兵隊の頭目であろうと、はたまた討伐隊での隊長であっても、
「騎兵隊の最終目標である共和国設立」や「討伐隊が抱える新政府からの理念」に対して心から共感して仲間になった訳ではない、
ただ当時はそのどちらかに属さないと生きていけないという事情を抱えただけのモチベーションの低い現地採用の部下達の力に頼るほかは無く、
そのような状況でトップとしてそういった人材をいかに納得させまた上手にまとめていくか、
その難しさ(というかほとんど不可能といっていい・・・かも)が作品全体にしみじみと書かれていて、つくづく、



「”ゴールデンカムイ”の中の
土方歳三と鶴見中尉の
トップマネージメント振りは
やっぱり桁外れにスゴイ!!!」



と思ってしまいました(笑)。
(↑)こんなにはまった漫画は私の人生の中で今までなかったのでどうか腐れオタク発言を大目に見てくだされ・・・(T_T)。


佐々木譲氏の「北海道ウェスタン」に当たる作品はまだ何冊か購入してあるので、
近日中にもまた新作を読み進めていきたいと思います。

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by japolska | 2018-07-04 09:30 | Wonderful Books | Comments(0)


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