2018年 06月 07日
山村輝夫氏画&著”原野に星は光る”読了しました。 ”読了”といっても、この冊子の中には主に上記のような絵が沢山掲載されてあり、 その下に作者のコメントが1行程度書かれているだけなので、 ”読む”というより”絵を堪能する”といった方が正しいのかもしれません。 この本の中で作者は、自らが経験した北海道の開拓の体験談を、 作者自身が描いたイラスト及び優しい文章で大変分かりやすく説明してくれていました。 自分の背丈よりずっと高い雑草や木々が生えている土地を切り開き、 家族全員が住める家を建て、人間として生活が出来るようにインフラを整え、 まずは自分達が最低限生活できる基盤を作り上げ、 それが一段楽した後は、畑を耕し野菜を育て、川や山に狩りに出かけ、 家畜を飼い保存食を作るなどの食料確保に重点を置き、 それとほぼ同時進行で、自然のものを使って身につけるものを編んだり、 炭焼き釜をこしらえ木炭を作るなど、更に生活が便利になるような物を作ったりと、 朝早くから夜遅くまで様々な仕事に追われる生活が続くのですが、 その傍らに近所に住む同じような開拓民の家族との交流や、 山の猟師やアイヌ民族の突然の訪問を受け入れ、一晩の楽しい時間を過ごす、など、 とにかく知恵と工夫と強い行動力で、ほぼ0の状態から自分達の必需品を全て見事に手に入れてしまうという、 その卓越した自立力を紹介してくれた内容に私は非常に感動を覚えました。 特に何でもできてしまうお父さんは本当にすごかったです! 一言でいうと「テレビドラマ”北の国から”の超上級編」、 もしくは「日本版リアル”大草原の小さな家”」という感じでしょうか。 「本物の自給自足の生活とはこういう事なのかもしれない」と思ったのと同時に、 当時の生活は大変な苦労の連続だったはずなのに、 それを微塵も感じさせない読者に対する作者の温かい気配りが伺えて、 読了後は胸の中がとても熱くなりました。
by japolska
| 2018-06-07 08:23
| Wonderful Books
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