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2018年 03月 20日

面白かった本 11 窪美澄氏著 アニバーサリー

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窪美澄氏著”アニバーサリー”読了しました。
こちらの本は去年、アメリカ・ケンタッキー州ルイビルの日本語補習校で開催された古本市で、
なななななんと@$1という破格値で入手することが出来た文庫本です!!!
(◍•ᴗ•◍) < 関係者の皆様、いつもお世話になっております!!!本当にありがとうございます!!!




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あらすじはこんな感じです。
裏表紙に書かれてある紹介文に惹かれて購入を決めた1冊なのですが、
実際に読み始めてみたらものすごく面白くて、あっという間に読み終えてしまいました。


特に良かったのが、上記写真内の紹介文内に登場人物として書かれてある、
カメラマンの真菜とマタニティスイミング指導員の晶子の対照的な生き方でした。


それぞれ生まれた時代が違うという差はあるにせよ、
幼ない頃に戦争を経験し、育ち盛りの最中に物資不足という状況下で育った晶子が、
だからこそ手に入れた物を大切にし、自分の周りの人に気を配り、
その結果、自分が「よい」と思ったことは実行しないと気が済まない性格になったのに対し、
有名料理人の母を持ち、幼ない頃から、お小遣い以外は何不自由のない恵まれた状況下にある真菜が、
それなのに自分自身を大切にせず、回りに流されるようにして生き、
その結果、自分の上手くいかない物事の全てを、今の時代を築き上げた自分より年上の大人のせいにする性格になってしまったという、
このある意味全く正反対のこの2人の生き方が本当に両極端で大変興味深かったです。


けれども震災後の混乱の中、シングルマザーになってしまった真菜を真に助けてくれたのは、
割のいいお小遣いの稼ぎ方を教えてくれた友人ではなく、好意を寄せていた自分の子供の実の父親ではなく、
弱々しい真菜を心配しておせっかいを続けてくれた、
真菜自身が責め立てた「自分をこんな人間にしてしまった」今の時代を築き上げた年上の大人達だった・・・という、
何ともまあ真菜にとっては皮肉な結果になってしまったのですが、
でもどこか自然な流れで、また今までの物語の方向性がここから新たに変わるような、
将来に明るい印象を残すような終わり方で物語は締めくくられていました。


それにしても・・・たった@$1でこんなに素晴らしい本を手に入れることが出来て、私はとっても幸せです!!!
この本を古本市に提供して下さった方、本当にありがとうございました!!!
個人的には、晶子の戦前~戦後あたりの生き方にすごく感動させられたので、
これからもこの作品は本棚に大切にしまって、時々読み返そうと思います!!!


なにはともあれ、早春に読むのにふさわしい爽々しい内容の作品です。
また女性の生き方についての小説が好きな方にもお勧めの1冊です。

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by japolska | 2018-03-20 09:22 | Comments(0)


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