2018年 03月 14日
![]() 北海道帯広市ご出身の池澤夏樹氏著”南の島のティオ”読了しました。 こちらは南の島にあるホテルの子供・ティオの目線から綴られたファンタジー作品です。 今回初めて池澤氏の本を手にしてみたんですが、 優しい表現で綴られた童話のような物語を読んで、 名前の印象もあり、すっかり若い女性の作家さんだとばかり思っていたら、 実は長年作品を書かれていたベテランの男性の方だったので、 調べてみてちょっとびっくりしました(汗)。 全部で10篇の短編作品が集められていて、 どれも心地よい南の島の雰囲気が漂う素敵な物語ばかりだったのですが、 私が一番気に入ったのは、最後に掲載されていた、 「エミリオの出発」という作品でした。 この物語の中では、主人公であるティオは、ある意味脇役っぽくなり、 代わりに新しく出来た彼の友達・エミリオを中心にして物語が進んでいきます。 エミリオは元々は別の島で暮らしていたのですが、 災害のため一時避難という形でティオが住む島へと移住。 そこで彼は、できるだけ文明や大人に頼らない、 可能な限り島にある物だけで生活をしていくスタンスを貫きます。 そして最後には、政府からの補助金で怠惰に暮らす、 同じく一時避難で移住してきた大人達を尻目に、 新しい友人・ティオの助けを借りつつ、大木からカヌーを作り、 自分が元々住んでいた島へ帰るために、たった1人で海へと漕ぎ出していきます。 全ての物語はここで終わってしまうのですが、 この「エミリオの出発」に描かれている、 幼ないながらも身の回りの事は何でも自分でこなしていくエミリオの姿に、 北国、というか、北海道の人の性格がよく出ているようで、 私はこの本を読み終わった後、すごく胸が熱くなりました。
by japolska
| 2018-03-14 09:54
| Wonderful Books
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