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2017年 07月 11日

北国の人たちに関する本を読む 19

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三浦綾子氏”果て遠き丘”読了しました。
この本は北海道・旭川を舞台に繰り広げられる複雑な人間模様を描いた作品です。


この物語の主人公は、おそらく上記表紙の絵のモデルとなっているであろう、
容姿端麗で恐ろしく頭の回転が早い若い女性・香也子です。
彼女は社長令嬢として裕福な家庭に生まれ、
何一つ不自由の内生活の中で我侭いっぱいに育ちながらも、
身内を含む他人が自分より幸せである事が何よりも許せない性格の人間へと成長します。


そして彼女は、「周りの人を不幸にするためならどんな事でもする」といった強い志を胸に、
生まれ持った美貌と賢さを自分を守る盾にし、
物怖じしない勝気な発言とずば抜けた行動力を剣として、
彼女を大切に思う実の両親達はおろか、
身内や身近な第三者をもずたずたに切り裂き、
彼女に関わる人間全てを次々と不幸にしていきます。


物語の後半で彼女は、数少ない彼女の味方である実の父親に対し、
まるで嫌がらせとしか言い様のない方法を使い自分の結婚相手を見つけてくるのですが、
最終的に彼女は、その自分が見つけてきた婚約者から、
父親にした以上のひどい裏切り行為をされてしまいます。


婚約者から天国にも上り詰める程の幸せを与えられたその瞬間に、
体中の全ての血の気が引くような地獄へと落とされてしまった香也子。
その結果、自業自得ながらも、誰も自分の事を助けてくれない状況に陥り、
気が付くと自分が誰よりも不幸になってしまったという現実に直面する・・・というところで物語が終わっていました。


私は日曜日の朝にこの本をふと本棚から手に取り、
「中身はどんなもんだろう」と思いながらぱらぱらっと捲っていたんですが、
その内容の、まるでこの世の終わりのような、
本当に想像を絶するような物語の進行具合に、
一旦読み出したら続きが気になりすぎて止める事ができず、
およそ600ページの長編文庫だったんですが、
軽い小休憩を何回かするだけで、その日の内に一気に読み終わってしまいました。


とにかく、内容はめちゃくちゃドロドロしています(苦笑)。
でも不思議と全く下品な感じがせず、すんなり物語の世界に入っていけるのは、
やはり卓越した表現能力を持つ三浦綾子氏の素晴らしい文才に尽きるとしみじみ思いました。

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by japolska | 2017-07-11 10:00 | Wonderful Books | Comments(0)


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