2017年 02月 15日
先日こちらで(↓) http://japolska.exblog.jp/25239300/ アメリカ・ケンタッキー州ルイビルのショッピングモール内にあるWilliams-Sonomaというキッチン用品のお店で、 七味唐辛子を破格の値段で買えたお話を掲載させて頂きました。 あれから我が家の食卓ではその七味唐辛子が大活躍をし、 毎日楽しくそして美味しく利用させて頂いているのです が・・・ しばらく食べ続けている間に、そこはかとない違和感が。 「・・・私が今まで味わってきた日本の七味唐辛子と、 何となく味がちょっと違うような気が・・・(汗)」 件の七味唐辛子の瓶のラベルをおもむろに確認してみると、 INGREDIENTS(原料)の部分にはこのような記載がされてありました。 INGREDIENTS: JAPANESE CHILI-FLAKES(日本の唐辛子粉) BROWN SUGER(ブラウンシュガー) TOASTED WHITE SESAMI SEEDS(煎り白胡麻) GINGER POWDER(生姜パウダー) ROASTED BLACK SESAMI SEEDS(煎り黒胡麻) DEHYDRATED SEAWEED(乾燥海苔) SEA SALT (海塩) CAYENNE POWDER(カイエンパウダー) ORANGE PEEL POWDER(オレンジの皮のパウダー) 「・・・・・。」 いやね、今まで私はそれほど積極的に七味唐辛子を利用する日本人ではなかったので、 七味唐辛子の原料とか成分とかに関しては素人なのですが、 アメリカで購入した七味唐辛子に含まれている原材料は、 明らかに日本の七味唐辛子とは別である!!! ということは本能的に感じることができました(笑)。 という訳でまずは手元にある、あだち充先生著の隠れた名作、 ”虹色とうがらし”を読んで七味唐辛子に関して再度復習。 ちなみにこの作品は、江戸時代頃を背景に、 七味唐辛子の原材料にちなんだ名前を持つ7人兄弟(※女子1名含む)が活躍する物語で、 内容的には、兄弟全員で自分たちの父(=実は将軍)の足取りを辿りながら、 彼らに襲いかかる困難(なのか?)に立ち向かうといった流れなのですが、 全体的に兄弟愛やユーモアに溢れる何ともほっこりした愛らしいストーリーなので、 個人的にはあだち先生の作品群の中で一番気に入っているお話なのです(※”H2”は殿堂入りなので除外します)。 そして上記参考資料を読了後、念の為Wikipediaでも確認してみると、 どうやら日本の七味唐辛子と海外の七味唐辛子とでは、 原材料にだいぶ違いがあることが判明しました。 「・・・・・・・・・・。」 わ、私が口にしていたのは、 本物の七味唐辛子ではなかったのかぁぁぁ!!! <どんがらがっしゃーん!!! ←エアちゃぶ台をひっくり返す音 こ、これらの原材料を含めずに・・・(↓)、 ・麻の実 ・芥子の実 ・山椒 ・菜種 七味唐辛子を名乗ろうなんて、Williams-Sonomaは許しても、 我が家の食卓上においては、私は断固許しません(号泣)!!! ←なぜ泣く(苦笑)? という訳で、できるだけ日本のに近い七味唐辛子を作るべく、 インターネット検索及び市内のスーパーマーケットを巡り、 何とか足りない原材料を調達して参りました!!! まずは麻の実と菜種から。 上記写真の原材料はこういう時に頼りになるWholeFoodsで購入しました。 辞書で調べてみると麻の実は英語でHempseedだそうです。 WholeFoodsではたまたま上記のパウダー上のものがセールで安く売られていたので今回はこれを購入。 菜種は英語ではColeseedということなのですが、 インターネットでも店舗でも色々探しまわったのですが、 残念ながらこれに当たる商品が販売されていなかったので、 今回は菜種の代わりにFlaxseed(亜麻仁)を買ってみました。 封を開けてみてびっくり! 私は勝手に両方とも片栗粉のような「白い粉」を想像していたのですが、 Hemp Powderはくすんだ抹茶のような色で、 Flaxseedはまるで枯れ草をただ砕いたような色と形状でした。 そしてその他に購入した原材料たちです。 これらはCostco、Lucky's Supermarket、そしてインターネット経由その他で入手しました。 とは言っても一番左にあるChia Seeds(チアシード)は以前から我が家にあったもので、 我が家ではよくサラダに振りかけてトッピングとして頂いていました。 ちなみにこの食材は、水分を含ませるとゼリー状に膨張し、 顔を近づけるとオメガ3脂肪酸が含まれているせいか、ちょっと魚臭いような匂いがします。 あとはChia Seedsの隣から、Poppy Seeds(芥子の実)、Lemon Peel(乾燥レモンの皮)、 Orange Peel(乾燥オレンジの皮)、山椒、そして乾燥柚子の皮です。 今回はこれらの原材料を、まずは小さなティースプーン1杯ずつ混ぜ合わせていくことにしました。 ちょうど良い大きさの小さな可愛らしい空き瓶が取ってあったのでこれを容器に再利用。 これらの粉を合わせていく内に、平安時代の香調合や、江戸時代の医者による薬調剤、 はたまたインドの何百種類に及ぶスパイスの調整や、香り高いお茶のブレンドなど、 今までの自分にとっては、本の中でしか知る由もない、全くの異文化の世界を色々と想像してしまい、 何だかこの作業が何だかとっても優雅な振る舞いような気がして、 まるで写経でもするようなゆったりとした、けれども気持ちをぴっ!と張らして、 神妙かつ厳かな気持ちで取り組んでしまいました。 上記原材料を全てティースプーン1杯ずつ入れた後は、 Williams-Sonomaで購入したアメリカ版七味唐辛子をティースプーン3杯分投入。 そして最後の仕上げに、食材棚にしまってあった韓国の唐辛子をティースプーン1杯分加えて今回は完成です。 こちらが我が家の食卓に新しく加わった、生まれ変わった七味(?)唐辛子です。 中身はこんな感じです。 色合いはちょっと地味になりましたが、芥子のみの灰色がかったブルーがすごくいいアクセントになっていてとても綺麗です。 香りも以前よりずっと複雑になり、ここで初めて香りの組み合わせの奥深さというものを感じた気がしました。 早速その日の夕飯に出てきた牛肉に振りかけてみました。 口にしてみると、アメリカ版七味唐辛子にはなかった、 私の大好きな苦味や渋みや新しい辛さが加わり、 また今までに味わった事がない薬臭さみたいな風味も感じられるようになり、 私にとっては以前よりずっと魅力的な味に変わりました。 今回使用した原材料軍です。 なんだかんだで結構買い込みました・・・。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 えーと、こんなことをせずとも、 おとなしく日本の七味唐辛子を購入すれば、 ここまで経費をかけなくても済んだのかなー(T_T) と、頭の中にちょっと浮かんだことも、ないことはないですが(苦笑)、 それでも、ティースプーンを使って1杯ずつ調合していったあの厳かな時間と、 やはり自分の思う通りに七味唐辛子を作ってみたという経験から、何となくですが自分の中で、 ”手間隙をかけて良いものを作っていったという自信と満足”のようなものが生まれたような気がして、 個人的にはすごく充実したひと時だったと思っています。と同時に、 ”色々なスパイスを混ぜ合わせて、今までに出会った事がない素晴らしい味、及び自分のオリジナルの味を作る” という面白さも発見できたような気がしますし、 またこれらの食材はすごくヘルシーなものが多いので、これからの自分の健康にもプラスになると思われますし、 何と言ってもこのブログのネタになったので、 この経費の元は取れた!!! ということにしておきます(笑)。←つーか、後は続けてナンボですね・・・頑張ります! #
by japolska
| 2017-02-15 07:51
| 世界のテーブルから
2017年 02月 14日
福のり子氏著”海の男たちのセーター”読了しました。 こちらの冊子の中で著者は、実際にスコットランドを含む英国海岸地帯の殆どの地域を訪問し、 各地で昔から細々と続いている、生活のための実用的な手編み文化について紹介してくださっています。 私は幼い頃からずっと、複雑な縄編みの組み合わせによって仕上げられたアランセーターの類や、 様々な色の細い糸を使って繊細な模様が繰り返し綴られているフェアアイルセーターの類になぜか非常に惹かれる傾向があり、 これらに関する本を探していくうちに、上記冊子に出逢いました。 こちらの本では、アランセーターやフェアアイルセーターはもちろんの事、 ガンジーセーターやフィッシャーマンセーター、そしてサンカ手袋などが、 それぞれのセーターや手袋の発生のきっかけから今日までの歴史を丁寧に追いながら、 豊富な写真や各地で見聞きした取材報告と共に大変詳しく掲載されています。 私が個人的に一番衝撃を受けたページはこちらでした。 1887年にスコットランドの漁港にて、女性たちが鰊の加工に従事している姿を撮った1枚らしいのですが、 少し見づらいかもしれませんが、右のページに歩きながら編み物をしている女性の姿が写し出されています。 この時代の女性はどんなに少ない空き時間も無駄にせず「編みあがった作品を売ってお金にするために」編み物に没頭していたそうです。 その頃のこの地域に住む少女達は、こんなに小さい頃から編み物ができたそうです。 ホントすごいな当時の女の子たち・・・でも上記写真の姿はどれもとても美しくて、大変神聖に思えます。 スコットランドの海辺に生息する羊たちです。 冊子を読むと、スコットランドを含む英国海岸地帯は、木もまともに生えず貧しい荒涼な土地柄で、 羊たちも牧草を十分に食べる事ができないので、海辺に流れ着く海藻を食べて生き延びているそうです。 でもこの海草を食べる習慣のおかげで、これらの羊たちから取れる毛はとても品質がいいのだとか。 だから自然発生的に編み物文化が非常に発達したらしいです。 伝統的なフェアアイル。昔はこのような色を使うのが正統だったとか。 もうあまりの模様の細かさと色合いの鮮やかさにまぶし過ぎて眩暈がします(T_T)。 この完成度は全てを超越して神様によって作られたとさえ思える程の素晴らしさです。 サンカ手袋の写真です。こんな手袋が世の中に存在していたなんて・・・。 ちなみに当時の作者が書かれた取材記録を読んでみると、 取材に応じてくれたサンカ手袋を編める地元の女性は、4日程で1対の手袋を編み上げる事ができ、 しかもその手袋を日本円で約1,500円で売っていたのだとか!!! 続きを読んでいくと、その女性曰く、 「お金が目的ではない」のでその値段を設定したらしいですが、 いや、どう考えても安すぎるでしょう!!! と、私は心の中で思い切り突っ込みを入れさせて頂きました。 (私だったら腹黒いので10倍くらいの値段を設定するかもしれません・笑。) ちなみにサンカ手袋の指の部分は三角錐のようにして編まれているらしく、 着け心地及び使い心地は抜群なのだそうです。 なんて細やかな心遣いなんでしょう・・・この手袋、私も欲しいです!!! こちらはビクトリア時代の編み棒だそうです。 もうあまりの細さと優雅さに究極の美を感じずにはいられません(号泣)!!! ちなみに昔の貧しい英国沿岸部に住んでいた女性達は、 初期の頃は木の枝や鳥の羽を編み棒にして編み物をしていたそうです。 なにはともあれ、この本は、 私が今まで読んだ編み物関係の中では飛びぬけて素晴らしい1冊でした。 こちらの本は古本だったのですが、どうしても手に入れたくて、 オークションで当時の値段と同じ価格で落札しました(@3,500円)。 現代の先進国は物質的に豊かなので、それほど大金を支払わずとも、ある程度品質が保証された物を何でも簡単に手に入れることができますが、 この時代のような、身の回りに物自体が少ない上に、また新しく手に入る物も非常に限られている厳しい状況下の中で、 それでも、その限りのある物と、絞りに絞りまくって出した知恵と、時間を最大限に利用し弛まぬ努力を使って編み上げられた、 「全ては生きていくための」セーターや手袋、そして当時の女性達の人生に、私は深い畏敬の念を感じずにはいられないのです。 #
by japolska
| 2017-02-14 08:23
| Wonderful Books
2017年 02月 11日
私が日本への里帰りの際に楽しみにしているもののひとつが、 埼玉県の大宮駅構内のエキュート大宮にあるケーキ屋・BUZZ SEARCH(バズ・サーチ)の苺のミルフィーユです。 ここの苺のミルフィーユは本当に綺麗で美味しく、 お値段以上の価値があるものだと思います。 またお店自体も、色々とリサーチした結果、 大宮駅周辺では内容や見た目、味の全てにおいて、 一番洗練されたケーキを作っている店舗だとも思っています。 箱はシックな鉛色ですが、蓋を開けると・・・、 フルーツやクリームがたっぷりの上品なミルフィーユが姿を現します! これを母や弟と一緒にのんびり食べるのが私の最高の贅沢です。 BUZZSEARCH(バズ・サーチ)大宮店 埼玉県さいたま市大宮区錦町630 エキュート大宮 048-648-3861 https://tabelog.com/en/saitama/A1101/A110101/11003132/dtlrvwlst/ #
by japolska
| 2017-02-11 07:15
| 日本
2017年 02月 10日
私はこちらのコンビ二雑誌”みんなの食卓”の大ファンです。 どの作品もとても素敵で、いつも楽しく読ませてもらっているのですが、 気に入っているシリーズの中でも特に一番好きなのが、 たかなししずえ先生著の”しーちゃんのごちそう”です。 こちらの作品はたかなし先生が小さい頃に体験したエピソードを中心に物語を展開されています。 今回、上記写真の冊子の中で、たかなし先生は、 胡瓜と若布と蛸の酢の物に関するエピソードを紹介されていました。 夏の季節、食欲のないしーちゃんに、 お母さんは偶然集まった食材を使って、 しーちゃんが元気になるように、 美味しい酢の物を作ってくれたそうです。 しーちゃんのことが大好きですごく家族思いの優しいお父さんに、 しっかり者で和裁の内職をしている頼れるお母さん、 そして元気で素直で明るくてとっても可愛いしーちゃんの、 楽しい3人家族の物語にいつも心が癒されます。 また、しーちゃんの家庭の食卓に並ぶ、古きよき昭和の飾らない食事内容が、 いつも私の食欲と胃袋を容赦なく刺激してくれるのです(笑)。 今回は梅酢を入手したので、こちらを使用してみました。 蛸と乾燥若布、そして小さいサイズの胡瓜は、韓国スーパーのChoi's Supermarketで調達しました。 エピソードの中で紹介されていた作り方とほぼ同じ分量で作ってみました。出来上がったのが上記です。 今は冬真っ盛りですが、久しぶりに食べた”海”と”梅”の香りのする酢の物は何ともほっとする味で、 寒さで凍え縮こまった固い気持ちまで柔らかくしてくれるようでした。 #
by japolska
| 2017-02-10 07:46
| 世界のテーブルから
2017年 02月 09日
先月から実家でノーフォークシャーテリアを飼い始めたとのことで、 昨日、猟師になるために絶賛準備中の我が弟から写真が届きました。可愛い! 弟曰く、まずは早々にしつけ教室に通わせ(5万円)、 その後はどこに出しても恥ずかしくない立派なマタギ犬に育てるらしいです。 #
by japolska
| 2017-02-09 10:49
| 日本
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