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2016年 12月 06日

Moon Dropsという名前の葡萄と木の実に関しての本


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週末にスーパーへ立ち寄ったら、
Moon Dropsという何ともロマンティックな名前の葡萄が限定発売でしかも特売品だったので迷わず購入しました。


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実際の果実部分はこんな感じでした。
普通の葡萄とは違って粒が大きくまた細長いです。


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手のひらに載せてみるとこんな感じです。
味は甘みが非常に濃くまたジューシーで大変美味しかったです。
実の形といい強い甘さといい、何だかナツメヤシの実を思い出してしまいました。
試しにと500グラム程購入してきたのですが、
あっという間に食べつくしてしまいました(笑)。


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時間があるときに上記写真の本を読み進めています。
松山利夫・山本紀夫氏著の「木の実の文化誌」という1冊です。


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この本には世界中の木の実に関するお話が掲載されています。
1話が約2ページ程度で、また文化誌とはいっても、
固い内容ではないのでとても読みやすいです。
私の想像を超えた非常に珍しい生態を持つ木の実や、
その土地に住む人々が編み出したそれらの実の利用法も分かりやすく紹介されていて大変面白いです。



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by japolska | 2016-12-06 08:13 | Wonderful Books | Comments(0)
2016年 12月 03日

北国の人たちに関する本を読む 1

ポーランド出身の夫と結婚してから約14年。
機会がある度にポーランドに関する古本を買い求めては、
空き時間を利用して少しづつ読み進め、
読了したら感想をこちらに書き綴っていることを繰り返しているのですが。


最近では色々と模索をしている内に、興味の対象が「北国の人全般」に広がり始め、
ここ2~3年では、ポーランド以外でも「北国」「北海道」「東欧」「ソ連」「シベリア」などのキーワードが入った、
しかも既に絶版済みのできるだけ古い時代を書いた作品が非常に魅力的に感じられるようになり、
暇を見付けてはポーランド関係の本と同時進行でページを捲っています。


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昨日もひとつ大河小説を読み終えました。
北海道出身の作家・船山馨氏著の「花と濤」です。
実は今、私はこの作家に大変はまっていて、
まるで炎天下の砂漠にて冷たい水を飲むかのごとく、
貪る様にして彼の作品を読んでいます。


内容は明治時代に人形師として育った主人公・庄太の幼少から失踪までの人生を描いた大河小説なのですが、
これがもう大変読みやすく、また非常に面白いので、あっという間に上下巻を読み終えてしまいました。


あらすじは、幼少時にある事情から実母から捨てられ、
当時名人として謳われた人形師の元に預けられる明るく素直な庄太。
その後彼は小間使いとして働きながらも、師匠の手の内を見つつ人形制作に興味を持ち始め、
また天性の才能もあってかめきめきとその腕を上げていきます。
預け入れ先の人形師の家族とも上手くいき、幸せな日々を過ごすのですが、
立派な青年に成長して間もなく、日露戦争に出征させられることに。
戦場ではなんとか自分の身を守る事に成功していましたが、
ふとしたきっかけで仲間を守らざるを得ない状況に陥り、
その際に大事な右手を失なってしまいます。


帰国後庄太は、人形師として生活が成り立たず、自暴自棄になってしまい、
自分の元の身元を隠しつつも、戦争の事を思い出しては周りに暴力を振るうようになってしまう始末で。
誰もが匙を投げて相手にしなかったそんな庄太を改心させたのは、
小さい頃から一緒に育った、預け入れ先の人形師の一人娘である夏江でした。


実は庄太は幼い頃からこの夏江にずっと惚れていたのですが、
庄太の出征中に彼女は、母親の薦めにより、
大きな商いを営む家筋へと嫁ぐ事に。
しかしその嫁ぎ先の夫は彼女に冷たく非情な仕打ちを繰り返し、
また様々な事情により次第に傾いてく嫁ぎ先の商売全般を、
最終的には彼女1人で全て支えていかなくてはならない羽目にまで陥りました。


「相手は裕福な商家。これはイコール玉の輿。やっと娘は幸せになれる!」
という母親の薦めによって流されるまま嫁入りしていった夏江でしたが、←母親は後にこの縁談を進めた事を後悔しています。
実は夏江も庄太の事を小さい頃から心の底ではずっと慕っていました。


右手を失って自棄になっている庄太の事がとても心配なのですが、
自分は既に人妻で、自分との仲を疑う夫は庄太を目の敵にしている。
その為自分は彼に対して、気安く近づくことも出来なければ、
何も言ってあげることはできないけれど、
その代わりに、元々は右利きの自分が、右手を使うことを止め、
全ての作業を左手だけこなすといった行動を取る事で、
「片手だけでも何でもできる」といった事を無言で実証していきます。


それを噂で耳にした庄太は、夏江の気持ちに言葉にならない感激を覚え、
心を入れ替え前向きに生きていく事を決心します。
そして知り合いの紹介で型細工の見習いになり、
片腕ながらも型細工師としても一流の仕事が出来ると評判にまでなるまでに成長。
再び職人として、1人の人間として、見事に立ち直っていくことができました。


それからまた人形師に戻り「左松島」と呼ばれるくらいの腕にまでなった庄太の作品は、
以前より高い評価を受けるようになり、彼の作品は引く手あまたとなりました。
しかしその後、大きな火事により夏江の嫁ぎ先が没落。
また引き続く戦争による景気悪化や、
活動写真の流行による人形劇の衰退等が重なるなど、
庄太や夏江、そしてそれを取り巻く人達に、いくつも試練が襲い掛かります。
そして最後には・・・非常に悲しい結末へと繋がっていくのです(号泣)。




船山馨氏の作品は、私にとって読みやすく面白いというのはもちろんなのですが、
それ以上に、当時起こった戦争や混乱、またその当時の民衆の心情等を大変分かりやすく記載してくれているので、
日本の歴史の細かいところまで学べてすごく勉強にもなっています。


そして小説の内容的には、船山氏は登場人物を通して、
昔の人間の中に存在した純粋さや素朴さを、まるで子供のように素直にまた爽やかに書き表しているのと同時に、
戦争や北国での貧しさや苦難に対する当時の人々のものすごい忍耐力も同時に読者に見せつけてくれるので、
私は感動の連続でページから指を離すことができませんでした。


しかしそれとは反対に、上記のような、人情溢れるような心温まる物語の進行を見せたかと思うと、
どんどん物語が進むにつれて、人間の心の底に潜むドロドロとした感情や嫉妬、
そしてそれらから引き起こされる、本人の理性や常識をもってしても止める事ができない醜い人間の行動をも、
まるで炙り出すかのように熱く強くそして容赦なく書き殴ってくれています。
でも読んでいるこっちも納得が出来るくらいの説得力を持って書いてくれるので、
私はまるで自分がその登場人物になってその状況にいたかのように感情が揺すぶられ、
傷ついたり哀しい気持ちになったり、はたまた怒髪天を突くほどの怒りを感じたりしました。


あとは、上記のような、素直で控えめでいじらしいような人たちだけでなく、
その対極地にあるような、例えば、「破天荒で自由で言いたい放題の自立した女性」、「周りの人を不幸にする金持ちのボンボン」、
そして「心の傷が元で捻くれてしまった子供」などが登場するのも船山作品の特徴なのですが、
彼らに対して私自身が怒りや戸惑い、そして悲しみなどを複雑な感情を抱かされつつも、
彼らが起こした行動や考え、及びそれらに繋がっている原因や内容に対して全てに納得ができたので、
逆に読書の際に邪魔になる”自分が理解ができない事”や”疑問”に直面する事は一切なく、
昔ながらの小さい文字で印刷された、しかも1ページにつき2段に分けられて書かれた分厚い本ながらも、
全く躓くことのなくすいすいと読み進める事ができました。
このことを考えると、本当にこの作家は「生身の人間」を書くのが上手なんだなぁ、としみじみと思わざるを得ませんでした。




船山氏の作品はまだ色々集めている最中なのですが、
既に手元にある何冊かは読み終えているので、
時間がありましたらまたこちらで紹介させて頂きたいと思います。



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by japolska | 2016-12-03 09:22 | Wonderful Books | Comments(0)