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2017年 08月 04日 ( 1 )


2017年 08月 04日

北国の人たちに関する本を読む 25

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船曳由美氏著”100年前の女の子”読了しました。


これは
船曳氏の母親である寺崎テイさんという方の、
激動の大正・昭和・平成を生き抜かれた様子を、
娘の
船曳由美氏が聴きがたりとしてまとめた1冊です。


この物語の主人公の寺崎テイさんは、生まれて間もなく実母が出て行き、
彼女の祖父母や父親と一緒に高松村というところで育つのですが、
父親が後妻を迎える際、家督争いの憂き目に合ってしまい、
一度は養女して外に出されてしまいます。


しかしその後事情が変わり、また生まれ育った実家に戻ることに。
継母や血の繋がらない妹達の側で、多少ばかり窮屈な思いをしながらも、
自然溢れる豊かな村で、村に住む様々な人達との交流や、
昔から伝わる季節の行事や習慣等を通じて、
学ぶ事が好きな真っ直ぐな女性へと成長していきます。


彼女は尋常小学校を卒業後、必死に勉強して受験に合格した足利女学校へと進学。
女性に学問なんて不要と言われていた時代に、
学校までの非常に遠い道のりを頑張って通いながらも、
親しい友人に囲まれ、充実した楽しい女学校生活を送ります。


足利女学校を卒業後は、自立の道を模索するために、
わずか16歳という年齢で単身東京へと上京。
決して豊かとはいえない親戚の元で生活しながら、
女学校時代に貯めていた貯金と実家からのわずかな援助を元に、中央工手学校へ入学。
そこで設計図を描く技術を身に付け、就労条件の大変良い土木局で働き始めます。


そして彼女は土木局で働きながらも、
東京で得た収入から貯めたお金を遣い、
女子経済専門学校の夜学で更なる教養と学歴を身につけることを決意。
しばらくは2足の草鞋を履く非常に
忙しい日々を送っていましたが、
ある日土木局からの仕事が無くなり、昼間の時間が空く事に。


計算してみると東京に出てきてから今までに貯めた貯金を投入すれば、
丸1年間は働かなくても通学できる事が判明したので、
彼女はその貯金を全て遣い、東京経済専門学校の昼学のコースに移り、
一流の先生の下で集中して学ぶ道を選びます。


そして
東京経済専門学校卒業後は、東京で更なる自立する道を模索し、
学校側から当時発足したばかりの東京YMCA本部での就職口を斡旋してもらいます。


その後は運命の男性に出会い4人の子供に恵まれるのですが、
太平洋戦争勃発で夫は招集され、彼女とその子供達は高松村へと疎開。
彼女の3人の娘達は自立を希望する女性へと育っていき、
その中の1人の
船曳由美氏がこの本を書き上げる・・・といった感じの内容でした。


感想は、女性というだけで軽視されていた100年前の日本に、
今とは比較にならない程の様々な苦難に翻弄されながらも、
きちんと自分の頭で考えて物事の良し悪しを判断し、
当時稀であった知識と教養を身につける機会を決して逃さず、
また自分が手にしたもの全てを最大限に有効活用する術を実行しつつも、
自らの道をしっかり歩んでいた女性の生き方を読んで、
久しぶりに魂が震えるほどの感銘を受けました。


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by japolska | 2017-08-04 10:27 | Wonderful Books | Comments(0)