2018年 01月 21日
ヴァレリアン・アルバーノフ氏著・海津正彦氏訳の ”凍える海・極寒を24ヶ月間生き抜いた男たち”読了しました。 これは北極にて遭難をした作者の日記を基にした壮絶なサバイバル体験記です。 多くの情報が出てきてちょっと複雑な物語なので詳細は控えさせて頂きますが、 読み終わった感想を一言で書くと、同じ「遭難」下を綴った体験記でも、 先日ご紹介させて頂いた須川邦彦氏著”無人島に生きる十六人”とは、 全ての面においてまるで間逆の内容だという事でした。 その他では、こちらの本は元はロシア語で書かれていて、 およそ100年近くに渡って読み継がれていた幻の名著とのこと。 うーん、そのせいかどうかは不明ですが、←でも私の頭の悪さも確実に原因のひとつです(T_T) 個人的にはやはり訳文に堅い印象があるのは拭えず、 正直に申し上げると翻訳物にありがちな「直訳的」な読みづらさを感じました。 ただ、既に限界点をとうに超えていた遭難生活の中でやっと辿り着いた廃墟にて、 作者と生き残った仲間の1人が、肉の缶詰や乾燥ポテトなどの保存食を発見し、 そのおかげで何か月ぶりに人間らしいまともな食事を取れたという件と、 暖かい場所で衣類を脱げることに至上の喜びを感じたとの部分に、 私は頭を殴られたようなものすごい衝撃を受けました。 これらの行動は私が毎日の生活の中で、 ごく普通に行えている内容のものばかりなのですが、 この作者の感動を共にした文章を読んで、 こういったことが何の支障もなく簡単に出来るという状況というのは、 実は人間にとって大変に幸せな事なんだ、と、 改めて学んだような気がしました。 あと印象に残った点は、偶然にも冒険家で作家の椎名誠氏が、 両方の本に後書きを寄稿されていた事でした。 ちなみにこちらの作品の最後には、 椎名氏からの「解説」としての7ページ程の寄稿文が掲載されており、
その内容としては、椎名氏ご本人が読まれた他の遭難関係の本の紹介や、 ご自身の北極での体験談等を読みやすい文章で綴ってくれていたので、 椎名氏の冒険/旅エッセイをいつも楽しく読ませてもらっている自分にとっては、 読了後はほっとした気持ちで本を閉じる事ができました。
by japolska
| 2018-01-21 10:11
| Wonderful Books
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