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2017年 06月 16日

北国の人たちに関する本を読む 16

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岡田安彦氏訳/著”極寒シベリア 極限の記録”読了しました。



こちらの著書は1974年に発行されたもので、
作者が旧ソ連時代に、その当時の最低気温記録を持つウェルホヤンスクという町に、
これまた一番極寒の真冬の季節の1月に訪れてみた体験談と、
あとはその地域の学術的な詳細記録が記載された内容で構成されていました。



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表紙を開いた後の文章が始まる前の数ページには、
そのウェルホヤンスクで撮られた白黒写真が掲載されていたのですが、




もうこれらの写真を見ているだけでも体感温度が下がりそうです!!!




作者曰く、当時はカラーのフィルムもあり、
色付きの写真も撮れなくはなかったそうなんですが、
ウェルホヤンスクの街の気温があまりにも低いので、
まずカメラを外気中に出しておくとあっという間に壊れてしまうのだとか・・・。
またカラーフィルムより白黒フィルムの方がまだ低温に耐えられる構造になっているそうで、
そのフィルムたちもぱりぱりになって割れてダメにならないように、
細心の注意を払わなければならなかったそうです・・・。




そして作者は本文の中で、「恐るべきフェルホヤンスクの寒さ」と題した章で、
その町の様子を詳しく書き綴ってくれているのですが、




彼がこの”極寒旅行”で体験した最低気温は、氷点下62.8度で、
その当時の日本からの最新防寒衣類を何枚も着こんでも、
この寒さにはとても抵抗できなかったそうです・・・。




また彼は、非常に暖かい建物の中でたっぷりと食事を取った後、
うっかり普通にそのまま外に出てしまったところ、
眉毛や睫があっという間に真っ白に凍りつき、
そして外気に直接さらされた顔がみるみるうちに充血しだし、
危うく凍傷にかかるところだったのだとか・・・。




この他にも、その真冬の極寒の地の様子と、
そこに住む人々の並外れて強靭な体力及び日常生活の送り方が詳しく掲載されていたのですが、
常識ではとても考えられない記述ばかりで目が離せず、
息つく暇もなくあっという間に読み終わってしまいました。
ある意味初夏の蒸し暑くなり始めた季節に読むのに最適な1冊でした(笑)。





いやはや・・・それにしても1970年代はまだ旧ソ連時代でしたが、





なんともまあ、色々な意味で、おそロシア!!! 





と思わざるを得ませんでした(苦笑)。(↑ つーか、結局これが言いたかっただけなんですw。)





ちなみに私がすごく気に入った章は、
「ウェルホヤンスクの狩人」という部分でした。
この章では現地ハンターの生活について紹介してくれているのですが、
元々この町に住むヤクート人たちは基本的に狩猟民族なのですが、
その中でもハンターの職業に就いている人達というのは、
更に選り優れて寒さに強いらしく(もう想像を遥かに超えたレベルです・・・)
その当時で約400人のハンター達がソブホース員として生計を立てていたそうです。



ちなみに実際の彼らのハンターしての腕前に関しては、
経験を積んだ者のハンティング技術は非常に高く、
50メートルの距離からもわずか1センチほどの目標に命中する事が可能だったそうです。
なぜかと言うと当時、例えば、シベリアリスの場合では、
「毛皮の価値を下げないために」目標のリスの目を狙って弾をたった1発しか撃てなかったのだとか。
このようにあまりにも卓越したハンティング技術により、
スターリングラード戦線において、参戦したヤクート人の狙撃兵達は、
誰もみな寒さに異常に強く、また、狙撃率も正確無比だったため、
昼夜問わず非常に軽快で、まるで神出鬼没のごとく行動し、
またどんな遠距離からでも殆ど撃ち損じがないので、
対抗するドイツ人兵の動きをあっという間に止めるような大活躍をしたそうです。←本当にすごい!!!




また彼らは、真冬の時期に狩りに出ている間でも、
何百年にも渡って伝えられた掟を厳格に守り、
野営をしなければならない場合でも、後から来る者の事を考えて、
その野営場所を綺麗に掃除をし、食用の肉と薪だけは数人分を必ず残しておいたのだとか。




この件に関しては、ウェルホヤンスクの町長曰く、
並外れて厳しい自然の中で生きていかなくてはならない人々が、
経験の中から自然に考え出した相互扶助の精神から始まったものだと語っていたそうなんですが、
彼らのように、非常に優秀かつ大変忍耐強い上、
どんなに過酷な状況下でも他人に対しての施しを決して忘れず、
また昔からの掟にもきちんと従うような北国の人達独特の真面目な性質に、
私はいつもものすごく惹きつけられてしまうのです。



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なんて事を書いていたら、ジュード・ロウの名作、
”スターリングラード”の映画が観たくなりました!!!
懐かしいな~♪私の大好きな作品です!!!



この映画ではジュード・ロウ演じる狙撃の達人・ヴァリシが登場しているのですが、
ジュード・ロウのかっこよさだけではなく、内容的にも非常に面白いので、
敏腕スナイパーに興味がある方には花丸付きでお勧めです。

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by japolska | 2017-06-16 09:06 | Wonderful Books | Comments(0)


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