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じゃポルスカ楽描帳

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2005年 12月 01日

英語の存在

もうすぐポーランド人の夫と結婚してまる3年になります。
12月(師走)という季節に籍を入れたせいか、その当日近くになると、
月日が経つのは本当に早いなぁ~、と、しみじみ思ってしまいます。

日本語が分からないポーランド人と、ポーランド語が分からない日本人を、
唯一つないでいる言語は英語です。
お互いにとって第2ヶ国語の言葉でコミュニケーションをとるということは、
日常生活を普通に送る分では特に問題はないのですが、
時としてからまわりをしてしまったり、完全には理解できなかったりしてしまう事も起きたりします。

例えば、すっごく面白い話を、それぞれの国の友達から聞いたとき。
面白い話の表現の中には、その母国語だからこそ面白いものが沢山あり、
英語に直すととたんに平凡で味のないものになってしまったり、
話の流れが分かって、それが面白いと感じていても、
その笑いの本当のツボまでイマイチ届かなくて、
何となく物足りなさを感じてしまったりすることがあります。

他には、お互いの意見が合わなくてけんかをしたとき。
感情の高ぶってしまうかもしれませんが、なかなかうまい英単語がでてこないことが多く、
特に私は、ただ手足をじたばたさせて、くやしさを消化するだけという感じになってしまいます。
そうしているうちに、結局は相手をののしり合うような言葉を見つようとすることより、
お互いの妥協点を見つけたほうが早いということで、
現実から解決策を掘り出す行動を始め、割とけんかは早く終わることが多いのですが、
たまに、「もしお互いが同じ国出身だったら、どんなニュアンスの言葉を言って、どんなけんかになるんだろう」と、
ふと考えたりなんかします。

しかし逆に、英語だからこそ、伝わる何かもあるのです。

例えば、日本語じゃ恥ずかしすぎて言えないような愛情表現も、
英語に置き換えれば抵抗なく出てくるし、
日本語ではどうしても回りくどい言い方を探してしまう自己主張の表現も、
英語を借りて表現することにより、心の中でワンクション置いた感じになるので、
割と心理的負担がなく相手に伝えることができるのです。

こう考えると英語は、私たちの間で生きている子供のようです。
時にはやんちゃに飛び跳ねたり、すねて顔を出さなくなったと思ったら、
いつの間にか現れて、誰よりも頼もしい味方になってくれ、相手と結びつけてくれる。
不思議で楽しく、時としてもどかしい。けれどなくてはならない、見えない大切な存在です。

きっとどちらかが英語を母国語としていたら、
また何か違った夫婦の形になっていたかもしれません。

by japolska | 2005-12-01 13:49 | 雑談


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